①Jasmine Guffond『Alien Intelligence』(OOH-sounds)
電子音による持続とレイヤー。ほぼそれだけで成り立っている音楽・音響作品。即物的な電子音のみが持っている不可思議な心地よさが横溢している。無の中にある無とでもいうべき音響作品。ミニマリズム。
②Giovanni Di Domenico, Pak Yan Lau & John Also Bennett『Tidal Perspectives』(Editions Basilic)
ドラマチックにして有機的にして人間以外の感覚。例えるなら海とか砂浜とかひび割れた大地のようなアンビエンスがここにある。
③Byron Westbrook『Translucents』(Shelter Press)
6月は無機的・即物的な電子音響作品を愛聴した。これもまさにそうで、即物的な電子音が鳴り始め、次第に音楽・音響的に拡張する。
④Actress『Statik』(Smalltown Supersound)
Actressの新作は彼のこれまでのアルバムにあったディストピア=人間以降の世界観をより深化させたようなアルバムだった。ミックスによって生成する不可思議な距離感。美しく、無。鉄屑に満ちた世界への慈愛のような音楽。
⑤Aaron Dilloway & John Cage『Rozart Mix』(Hanson Records)
John CageがAlvin Lucierのために作曲した曲をAaron Dillowayがリアライズしたアルバム。これがまさにノイズ/テープ・コラージュの逸品。
⑥Nika Son『Drift』(Futura Resistenza)
海の音。世界の音。この世界に満ちている音のアンビエンス・アンビエント。素晴らしい。